ゴールデンクロスとデッドクロスを使ったEA
前回(自動売買プログラム(EA)を動かす方法)のコラムにてダウンロードしていただいたEAをMT4に搭載させ・稼働させることはできましたでしょうか。今回はダウンロードしていただいたEAの詳細をご紹介しようと思います。
ゴールデンクロス、デッドクロスとは
ダウンロードしていただいたEAは「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」を利用したEAです。
「ゴールデンクロス」とは「底値圏で下向いていた短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜くこと」。「ゴールデンクロス」は「買い」のタイミングとなります。
反対に「デッドクロス」は「高値圏で上向いていた短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜くこと」で、「売り」のタイミングになるのです。
この「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は売買の基本のシグナルとなり、もっともよく使われていると言っても過言ではないでしょう。移動平均線は「過去n日分の値動きの平均値」をずらして1本の線として表示させる指標です。この過去n日間というのがポイント。通常、移動平均線は1本だけならば、傾きを見てトレンド方向を見極めるのに使います。
EAを使ったFX取引で気をつけること
EAは相場の性質によって、その都度調整する必要があります。というのも、使用している移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスは各通貨ペアや相場状況によって、売買タイミングが変わり、運用結果も変わってくるためです。これが、テクニカル分析で難しいところ。最近の相場を例に、それぞれの「相場の性質」を簡単に見ていきましょう。
【2013年の相場】
昨年2013年はアベノミクスによって、分かりやすい一定方向へのトレンドが出ていました。つまりトレンドは、円安ドル高方向。為替は一本調子で上がっていました。この時は、素直にトレンドに従った方がいい。“順張り”でゴールデンクロスが発生したら「買い」というトレードをどんどん続けていった方が良かったのです。
実際に、2013年の相場で儲けた人というのはやはり「バカになるほど買い」で入っていた人なわけです。米ドル/円は100円台まで上昇しましたから、いかに大きなトレンドだったか分かるでしょう。2012年にアベノミクスが始まる前の米ドル/円は70円台だったことを考えれば、値幅にして約30円分もあります。
【2014年の相場】
一方、2014年前半からのは少々事情が異なります。今年、相場はレンジに入っていたのでトレンドは凪。米ドル/円は100円台~105円台のレンジ内にありました。このような状況にあるとき、ゴールデンクロスとデッドクロスはそれほどワークしません。むしろ、逆張りでシグナルが出た時、反対売買をするぐらいの勇気を持ちたいものですね。
まとめ
このようにMT4の自動売買はEAというソフトが自動で取引してくれますが、その時の相場に合ったEAで取引する必要があります。実際2014年の12月以降の米ドル/円は120円台をつけるなど、また少し風向きが変わってトレンドが出てきたように思います。やはり、トレンドの見極めはしっかり行いたいですね。
次回はEAが相場状況にあっているのか「検証する方法」をご紹介します。
2014年12月12日